若い女

最近友だちが「若い女であるが故にできるアレコレを放棄して、必死にお金貯めて遠距離恋愛するのはなかなか博打的だよな」みたいなことを言っていて、たしかにな~~と思いました。若い女、確かにやろうと思えばなんでもできるので(出会い系アプリで釣りまくる然り、水商売で稼ぎまくってほしいもの全部買う然り、パパ活で良い飯食う然り、サークルクラッシュする然り)、遠距離で3か月に1度しか会えない相手に忠誠を誓ってそれらすべての可能性を捨て去るっていうのは、確かに重大な機会損失ですよね。お金貯めないといけないんでほしいものも買えないし、相手が陰で何してるかもわからない。それで浮気なんてされてた日にゃ刺殺モンですな。

でも、やりたい放題するのは30くらいまでならいつでもできると思うんですよね。サークルクラッシュはできないけど会社をクラッシュはできるし(責任問題を思うと最悪だが)、遠距離でめっちゃ長く付き合ったのに浮気されてた!あ~人生終わり!もう残りは消化試合!と思ったら会社辞めてお水の世界に入ったり、そう思ったらなんだか、そんなに悲観するようなことでもない気がするなあと。

"女子高生""女子大生"ってブランド力みたいなのは確かにあるし、なんとなく「大学出るまでは好き放題やっててもいいよね」みたいな風潮ってあると思うけど。「何も考えずに行動できる」「何も考えずに行動してもまあなんとかなる」という意味での「できる」だとすれば、確かに今だけなのかもしれませんね。

 

 

しかし思うのは、機会損失と言えば機会損失だけど、一度その道に入ってしまったら二度とそれを経験していない自分には戻れないということです。お水もパパ活も何もかもそう、「大金を手にしたことがない自分」「自分の身体を引き換えにしてお金を手に入れた自分」には二度と戻れなくて、もちろんどの経験にもメリットはあると思うんだけど、「なんだか薄汚れてしまった」みたいな気持ちに本当にならないか?というと、少なくともわたし自身はそうではなさそう、と思う。

そう思ったら、捨て鉢になるような経験もなく、必要に迫られてもいないのにいきなり若気の至りと興味本位だけでその世界に飛び込んでいくこと、そしてそれが自分の中で消せない事実として残ることの方がよっぽどリスキーなんじゃないかと思いました。特に自分の身体がお金になるっていうのはかなり鮮烈な経験だと思うし、自己の尊厳みたいなことを考えると、どうしてもなあ…わたしはやったことがないので、実情はわかりませんが…

 

あと「いやいや機会損失って、普通に考えればそんな機会選ばないだろ」と思うかもしれませんが、案外選ぶ人はいると思うんですよ。

今はSNSでなんでも見える時代なんで、彼女らが奔放に生きる姿を見て、狭く凝り固まって生きている自分が馬鹿みたいに見える、ということは結構あることだと思うんですよね。わたしもそうだし、「遠距離はリスキー」を提言した友だちも同じように『自分何やってるんだろう』と思ったんじゃないかと思う。というか、わたしよりも彼女の方がよっぽど過酷な状況なので、ほぼ確実に思ったと思う。この世にはヴィトンの財布持ってミュウミュウの新作の香水と10,000円かけたカワイイネイルをインスタにアップする女の子がいて、片やわたしは600円のリップを買うのに悩むことだってあるんですよ。そりゃ落ち込まないわけがない。彼女らは彼女らなりの苦痛があり、その代償としての金銭なので、落ち込むのは筋違いなのかもしれませんが。美容垢見て落ち込むみたいなもんなのかもしれん。

 

昔からツイッターで風俗嬢とかキャバ嬢とかそういう人たちをフォローして彼女らの生活を見続けていたので、いざ友だちがその世界に飛び込んだら同じようにコンテンツ・エンタメとして楽しんで見てしまう部分もあって、そんな自分が嫌になる瞬間もあります。「安心安全な場所から、他人のきらびやかな部分だけ切り取って楽しんでんじゃねーよ」みたいな。

インスタの投稿は彼女らが自らの演出的な意味でもやっているだけの話なので、わたしがエンタメとして見ていたって構わないわけなんですが、友だちと遊んでいてもどうしても友だちではなくて"ツイッターでこれまでわたしが見つめてきたどっかで働いてるキャバ嬢"みたいに思えてしまい、客のおじさんみたいに「きれいだねえ」しか言えなくなる瞬間があって、元々友だち同士だったはずなのに急に「相手の私生活の部分に関して私は全く知らないし、口を出すべきでもない」みたいな気持ちになっちゃうんですよね。それこそ、メイドさんと話しているのと同じような気持ち。

 

まあなんていうか、「生きてる世界が違う者同士では話すことがない」みたいな話もしたんだけど、やっぱりそこに帰結するのかもしれないな。世代とかもそうですけど、生きてる世界が違う者同士では「最近どうしてる?」以外に話すべきことがないですもん。世代とか趣味とか同じ大学とか同じ都市とか、ベン図みたいに生きてる世界が重なる者同士でないと、「天気がいいね」「花がきれいだね」以上の会話ができないような気がする。結局そういうことだったのかもしれません。

 

話のまとまりがない気がするけど、今日のところはこんな感じです。身支度してミスドのタピオカでも飲みに行こうかな。では、また。