スラムダンクを読んでの感想

昨日暇つぶしで漫喫行ってスラムダンク読んでたんですけどあまりに面白くて止まらなくなってしまったので、急遽今日も行ってきました。早起きする予定が普通の時間に起きちゃったので、読破して帰ったのついさっきなんですけど……感想を書いてみます。

まず私実は超能力使わないスポーツ漫画読むの初めてだったんですけど笑、めちゃくちゃ面白かったです。1巻から引き込まれて!何が良かったのかって聞かれるとちょっとよくわかりませんが、テンポが良いのかな?読みやすいなーと感じました。あとそもそも今までスポーツ漫画あんまりハマらなかったのって、スポーツ好きじゃないしルールもよくわからんしコマを見てても何が起きてるかわからなくなりがちだしライバルキャラ増えすぎて「こいつ誰?」ってなりがちだし……と色々理由があったんですが、今回は割と気にせず読めました。話に引き込まれてるからこちらも必死にコマ内のボールに食らいついて読んでた部分はあるかもしれないけど、とにかく読みやすかったです。敵キャラが増えすぎるほど話が長くないのも「誰?」ってならなかった理由かもしれません。てか新テニがキャラ多すぎるのかも……

とりあえず、そうだなあ……率直に、一番泣いたのは最後の山王戦だったけど、一番好きなシーンは「バスケがしたいです」でした。山王戦は映画で見ちゃってるんでハラハラ感はなかったですけど(私は漫画読む前に映画を見たので)、今回の映画って省略されたところも多々あれど、映像化のクオリティがめちゃくちゃ高かったんだなって感心しました(何様ですが。あと原作ファンが納得いかない理由もわかりました)。あと私映画では山王チームに対してすごく「バスケマシーン」的な印象を受けたんですよ。これは完全にクラフトワークのイメージから来てるんですけど、全員坊主でなんか背がデカくてぬぼーっとしてて、みたいな(全員ぬぼーっとしてるわけじゃないけど)。でも映画より漫画の方が描かれ方がよりコミカルというか人間らしさがある感じがして、ちょっとバスケマシーンイメージは薄れました。しかし山王ってシンプルだけど見るからに強そうで良いキャラデザだな〜と思いますね。山王の河田弟がぶつかってきて謝られた時に「謝るなよ、勝負だろ」と返す花道、かっこよかったですね。あと山王戦に限らないけどリョータがドリブルしながら「一本取ってくぞ!」とみんなに声かけるシーン、ポイントガードって感じがして毎回かっこよかったです。リョータ、本来は割と湘北の中でも脇役なんでしょうけど、映画で見てるからちょっとひいき目に見ちゃいますね。

「バスケがしたいです」の方は、もう言わずもがなですね……。部活辞めて不良になった三井がバスケ部にカチコミに来て、三井の過去が明かされて……ボロボロになってもバスケへの思いを隠して強がる三井が非常に痛々しいシーンなんですけど、安西先生を見た瞬間に素直な気持ちを抑えきれず吐露する様が感動的でした。私人間ドラマが非常に好きなんですよ。三井は割とその辺が深掘りして描かれていて好きでしたね。なんかみんなもっと深掘りする余地たくさんあったと思うんだけどあまりされてなくて、井上先生はあくまでもバスケが描きたかったし他はおまけ程度(想像させる程度)で良いと思ってたのかな〜とちょっと思いました。でもスケダンみたいにキャラ掘りすぎてよくわかんないシリアスな感じになっちゃうのも違うと思うのでアレで良かったんだろうなと思います(スケダンも好きですが)。

他に印象的だったのは、ほんと小さな部分なんですけど、花道が部長の赤木と一緒にゴール下シュート練習を夜遅くまでやっていたんだけど、一旦帰ろうとした副部長の小暮が気になって戻ってきて、花道は「遅くまで残って家の人心配しないのか?」と声をかけるんです。小暮は「大丈夫だよ(お前はどうなんだ)」と返すんですが、花道もまあ気のいいやつではあるんですけどそんなこと気にするんだな~と妙に引っかかってて。小暮真面目っぽいからかな〜とか思ってたんですけど、その後かな?安西先生が倒れた時に、花道は昔父親が倒れた時に不良に絡まれて救急車を呼べず亡くしている(かどうかまでは描かれてないけどおそらくそう)のがわかるシーンがあるんですよ。なんかこう……そういう背景があるからこそ小暮を心配したのかなとか色々考えちゃって。なんかそれは印象に残ってますね。あと深掘りで行けば小暮さんも結構深掘りされてますよね。陵南戦でスリーポイント決めたところはナチュラルに泣きました。小暮さんメガネだけど顔かっこいいんだよな……でも映画で見てるだけの方が印象良かったというか……女房役というか、みんなの精神的下支えみたいな部分もあるのかと思ってたけど、ちゃんと読んでみると割と赤木頼りで「あ、そうだったの」ってなりました😅とはいえ三井に対して「大人になれよ」って止めたりとか、下支え的要素も持ってたとは思うんですけど。

あと女性陣が男のアプローチ(花道はあまりアプローチしてないけど)にちっともなびかないのも良いな〜と思いました。恋愛感情の混じった応援が悪いわけじゃないんだけど、晴子にしても彩子にしても、あくまでもチームの一員として花道やリョータのことを信頼し応援している、その様がなんか純粋でいいなあって思いましたね。リョータと彩子なんかは最終的にはくっつくのかもしれませんが、そこがはっきり描かれないのも良い。すごく良いところで終わるので「編集部、よく許したな!」と思うんですけど、でも本当にベストな終わり方だなって思います。バクマンとかもそうだけど、作者が終わらせたいところで終わらせるべきなんだなって……いや、他の漫画も終わらせたい構想を持って書いてるとは思うんですけど、どうしても売れると延命して金取りたいからどんどん間延びしていくじゃないですか?間延びしてくると急に読む気失くしちゃうんですよね。でもスラムダンクはそれがなくて、最初から最後までずっとトップスピードに面白い状態で、それで終われるのってすごく良いことだなって読んでて思いました。あと、色恋沙汰もそうだけど、もっと話広げられそうだけど本筋(バスケの試合とか花道の成長)に関わらないところを徹底的に削ってる感じも良いなって思いました。正直もっとバックボーンが見たい部分もあったけど、ないからこそ本筋の感動が際立つっていうか。これがベストだったんだろうなって気がします。

あとユーリ!!on Ice見てた時も思ったことなんですけど、スポーツ漫画って応援の場面が絶対入ってくるじゃないですか。応援ってまさしく"祈り"だな~と思ってて、プレイはもちろん面白いんだけど、人の応援してる場面に結構グッと来ちゃうというか……晴子ちゃんが泣きながら応援してるのとか、度々グッと来てたし、読者の自分の「勝て花道!」という祈りと漫画の中の子たちの祈りがリンクするというか、自分もそこにいるみたいに一緒になって応援できるっていうか、なんかそういう体験ができるのってスポーツ漫画の良いところなのかなと思ったりしました。スポーツ漫画のっていうか、スポーツ見るのが好きな人ってそこが好きなんでしょうね。応援するのが楽しいんだろうなって思いました。

内容についてはそんなところかなあ……。まあでも何もできなかった花道がバスケットマンとしてどんどん成長して、時には思いの外折れやすい(?)大黒柱の赤木にハッパ掛けたり、安西先生とかと同じ気持ちで成長を見守れた感じがありましたね。あと全然関係ないけど花道の友達の洋平、マジでいい奴すぎてギャルゲーのやたら良くしてくれる仲の良い男友達ポジだな……ってめちゃくちゃ思ってました笑 三井のカチコミの時に花道の代わりに謹慎食らってあげたり、ケンカの手伝い?で花道が呼ばれた時に「あいつを巻き込まないでやってくれ」と言ってたり、優しすぎる……。あんなにモブ感あるのにすごい印象に残っています。花道軍団、超モブっぽいのに謎に強いのなんなんだ。

あとは本編に関係ない話で思ったことをいくつか書きたいと思うんですが……職場の先輩に昔「頑張りたいと言ってる奴に『無理するな』って言うのは優しさじゃない」って言われたことがあったんですよ。その時は「え?無理はしない方がええやろ」って思ってたんですけど、でも最後の死にかけの花道とか、完全に無理してるけど掛けるべき言葉は「無理するな」とは限らないわけじゃないですか。いや、安西先生があそこで出させたのは指導者としてどうか?っていう話はあるし、この言説はぶっちゃけ立場によると思うんですけど、でもたとえ無理してても「頑張れ」って言うべき時があるのかもなっていうか。その人は真剣に運動部やってた人なんで、あ~これが運動部マインドなんだな~とスラムダンクを読んで初めて合点がいきました。自分は無理して何かを頑張ったことがないのかもしれません。

映画のスラムダンク見た時も「運動部スゲ~」みたいな感想になっちゃったけど、生まれてこの方運動部やったことないんで、一生懸命練習してうまくなっていく花道の様子とか、「練習は裏切らない」「正しいフォームを反復して身体に覚えさせるんだ」みたいな話を見て「あ~だからみんな練習するんだ」って初めて分かったっていうか。今まで「なんで選手になれるわけでもないのに土日潰してまで部活やるんだろう?」ってずっと思ってたんですよ。まあ土日やるべきかって問題は先生の労働環境とか色んなことを加味すると今でもどうなのかなって思うけど、でもたくさん練習して上手くなって試合に勝つ、それがきっと運動部の醍醐味なんだな~って、初めて飲み込めたんですよ。理屈では分かってたかもしれないけど、初めて理解できたというか。なんかちょっと大げさだけど、人間の幅が少し広まった感じがしますね、スラムダンクを読んだことで……。ただ自分もバスケやりたくなったけど、スラムダンクみたいなプレーをするにはまずレベル100まで上げないといけないけどそれまでの練習の積み重ねがまず超大変なことがわかっちゃってるし、しかも漫画で描かれてるのもリアルに見てて楽しいのも個人的には男子のバスケで、私は性別も違うし背的にダンクは絶対できないので、どれだけ努力しても自分の理想のプレーはできないっていうのがわかっちゃってるっていう……。言い訳にするな!と言われればまあそれもそうなんですけど、なかなか大人になっちゃうと自分もやってみようという気にはなれないですね。元々好きな競技ならまだアレですが。でも体育館に行きたくはなりました。笑

あと全然関係ないけど井上先生がめちゃくちゃイケてる男の子なのもめっちゃ読みながらびっくりしてました。私漫画家って総じてオタク臭い人ばかりだと思ってたんですけど、普通のバスケ青年が漫画を描いてるって感じで。しかもめちゃくちゃ絵が上手い!今と昔ではバスケのメジャー度が違うんで当時のバスケ好きがどんな感じなのか分からないけど、バスケ好きな子が漫画を描くっていうイメージがなかったので、そこは結構驚きました。あと巻頭コメント読んでても結構「日本の古い体制が変わらないと良くなっていかない」みたいなことを度々書いてて、色々大変だったんだろうし、自分は生まれた時からバスケがメジャーで授業で普通にバスケもしてたから「バスケがマイナー」っていう状況がイマイチ想像できないんですけど、当時バスケで漫画を描くってことは本当に相当な挑戦で、編集部との衝突も大きかったのかな~……と色々考えてしまいました。あんなに良い終わらせ方するのも、相当戦わないと無理でしょうしね。

そんな感じかな~。でも自分は映画→漫画の順で見て良かったなって思いました。漫画→映画だと、違うところとか気になって映画が純粋に楽しめなかった気がします。読み始めた時は漫画読破して映画もう1回観ようかなって思ってたけど、う~ん……やっぱりもう1度観たいな笑 映像作品としてすっごくかっこよかったし、あれは映画館で観るべき作品だなって思うので。漫画も買おうか悩みますね……。井上先生の他の作品も読んでみたいな~と思いました。

大幅に加筆修正したら当初+1500文字くらいになってしまいましたが……今回の記事はこんなところでした。お読みいただきありがとうございました!