親族に学ぶ主張の重要性

日帰りで父と釧路の実家に行ってきた。

祖父母は皆おおむね元気でよかったけど、「孫」をやるのも疲れる。食べなさい食べなさいと言ってくれるのは善意だとわかっているけど、1話題ごとに5ループくらい同じ質問を繰り返されるのも、めっちゃ食べてるのに食べなさいと言われることも段々辛くなってきて参ってしまう。歓迎してくれるのはうれしいけど、寿司とステーキと天ぷらと焼き魚を同時に食卓に並べるってこれから結納でも始まるのか?という感じである。お年寄り、うれしさが昂る余りにそういうことをしがちだ。

年々やさしい孫でいられる時間が短くなってきているような気がして焦る。ストレスのない職を選ぶ余りに忍耐力がマイナス値になっているんじゃなかろうか。このままじゃいけないと思うんだけど、そんなにドMじゃないので自らストレスを受けるためにバイトを始める気にはなれず、社会に出られるのか本気で不安だ。いっそ「社会不適合者」という焼き印を背中にでも入れてほしい。焼き印は痛そうなのでできるならマッキーペンで書いてほしい。

 

母方の祖父母はみんな素直で、訪問すると激しく振られる犬のしっぽが背後に透けて見えそうなくらいはしゃぐ。しかし父方の祖母は元々の性質もあるんだろうが、父いわく「心配してくれアピール」が激しく、すっかり身体が動かなくなってしまってからは訪問してもさしてものを語らず、という感じでなかなかしんどいものがある。正直なところ、ツンデレは若くても年を取っていても厄介だ。

わたしは自分の気持ちをはっきり言わないくせに察してもらえないと怒る、みたいなことがめちゃめちゃ嫌いなので(たまにやってそうなので被害に遭った人、怒ってください…)、😒という感じになってしまうけど、わたしは連れ添った相手に先立たれる経験もないし田舎で孤独に暮らしたこともないので、その物悲しさは想像できない。だから祖母に対して何か感想を抱くのは適切ではないように感じる。

とにかくわたしは子どもではなく孫でしかないので、フラットな気持ちで顔を見せたり「会うのを楽しみにしている」というようなことを表明するしかないな、と思う。いつも「何もしてやれなくて申し訳ない」と言うのでそれもまたプレッシャーなのかもしれないけど、何しろ接し方が難しい。

母方は曾祖父母も健在なので祖父母と合わせて4人で出迎えてくれるわけだが、こちらはこちらで祖母を除く3人の主張が激しいので聖徳太子にならないといけなくて疲れる。しかも大体同じ話が5回くらいは繰り返されるので、以前2泊3日いた時は本気で気が狂うのではないかと思った。日帰りくらいがかなりちょうど良い。正直なぜわたしよりもずっと長く生きているのにこんなにわかりやすくおだつんだ…と思う。まあ、歓迎している気持ちの表れであることはわかるんだけど、母方と父方の性質を足して2で割れればちょうどいいのにな、と思ってしまう。

 

あと「いつ結婚すんのよ?」とか「すぐ嫁に行くんだから仕事はなんでもいいよね」みたいな話をされてなかなか辛かった。まあ、御年96歳の曾祖父に前時代的だ!なんて文句を言おうとは思わなかったけど…。

父にも「女は旦那を立てるもんだ」みたいなことを言われたけど、うるせえなと思ってしまう。男は見栄を張りたい生き物だみたいな話をよく聞くけど、つまんねえ見栄張る方がよっぽどカッコ悪いと思うのはうちだけなんだろうか?自分を大きく見せずに自然体でいる人の方がよっぽど好ましく感じる。それとも自然体でいるように見えて実は見栄を張ってるんだろうか。テメーのご機嫌はテメーで取れという話である。褒めてほしいなら自分の口でそう言え。

つうかうちの両親は娘の潤滑剤としての働きをきちんと認識しているんだろうか。うちはこの人たちのように自分の言いたいことをはっきり言わずに、何を言ってもあまり角が立たない娘を介してマイナス面の意思の疎通を図るようなやり方は絶対にしたくねえ、と思う。両親のどちらもうちに不満をこぼすけど、どっちにも悪いところがある。20年いるからこその諦め等もあるのかもしれないけど、なぜ問題を感じたとき冷静に対話できないんだろうか。そこまで問題視してないんだろうか。ごはんを食べに行く度に母親に「これにしなよ」とメニューを押し付ける父親に「お母さんが食べるものをなんでお父さんが決めんのよ」とたしなめるのも、それを自分で言わない母親にも苛立つ。

まあしかし対男の人に限らず、そういう他人を立てるみたいなことが極端に苦手なので絶対に苦労しそう。迎合したり媚びたり、そういう自分の居心地をよくするために目上の人に思ってもないことを言ってゴマをするようなことが全くできない。馬鹿正直なんだろうか……極端に世渡り下手だ。将来が不安である。

 

両親への文句が色濃くなってしまったけど、こんなの些細なことだろうとも思う。今回の旅は結構楽しいものだったのでよかった。今度からは日帰りで十分だな…

 

なんだか半端な感じだけど、いよいよ車に酔ってきたのでここでやめにします。ではまた。