災害

最近書きたいことがない。

バイトで2度目の寝坊をして絶望したり「勉強するチャンスだ!」と思ってロースクールに通う人々がとるような難しい授業をとったことを悔やんだり、そんな日々が続いている。とはいえ先生はすごく好き(母に雰囲気が似ていて落ち着く)なので一生ついていきたい!って気持ちなんだけど、どれだけ好きでも、半期の授業が終わった後も触れあう機会を持つ方法が全くわからない。ジェンダー学ならさておき、法律学に普段から関心を持つことはあまりないので、オフィスアワーの時間に訪ねても聞くことがない。まして「先生に一生ついていきたいと思い、遊びに来ました」というのも変だ。先生はロースクールの先生なんだけど、先生を追ってロースクールに通うほど法律が好きではないし、法律を職にしようとも思っていない。ロースクールに通いたいと思ってあの難しい授業を受けている先輩方はカッコいいと思うけど……。

「服が好き」なのもひとつの趣味嗜好なのでわたしがどうこう言う権利はないけど、身なりに無頓着で学問に一直線な人を見ると、どんな高い洋服を着ている人よりも輝いて見える。わたしもああいう人になりたい、と思うけど、わたしにあるのはただの無頓着さだけで、少なくとも今学んでいる学問への熱意は、ちっとも持ち合わせていない。ジェンダー学、社会学の勉強がしたいなあ。社会学の勉強をできる環境になったら、それはそれでサボる気がするけど。

わたしは目の前にある「やるべきこと」から目を背けるのがとても上手だ。すべての物事の中で一番得意かもしれない。わたしだけが特別に得意な訳でもないと思うけれど……。やるべきことをやるべきタイミングで適切に行える人を心底尊敬する。というわけで、「まだ時間あるしな」と思いながらテスト勉強をあまりしないままオホーツク旅行に来てしまった。一応勉強道具は持ってきたけど一度も開いていない。2週に1回バスに乗っていると4時間座りっぱなしにも慣れてたんだけど、久々に乗るとやっぱ長いなと思う。「4時間なんてあっちゅー間よ」と田舎出身マウントを取ることもあったが、ふつうに4時間は長い。まあでも、通い始めてから旭川がめっちゃ近く感じるようになったのは本当だ。

 

先日、高校時代に国語の教科担任に見てもらうために送った答辞のデータが出てきたので読んだ。自分で言うのも変だが、あの時読んだ答辞は同級生にも先生方にも大評判だった(あのようなハレの場での発表をあからさまに批判する人もいないと思うが)。その記憶が色濃く残っていたのでずいぶん期待して読んだのだけど、思ったほど良い文章とも思えず、みんなこれのどこを絶賛したのかよくわからなかった。まとまってはいるが、何年後にはわたしたちは何年生で……という部分では計算を間違えて留年しちゃっているし、答辞の決められた枠組みに当てはめて書いただけの文章に見えた。まあ、喋りの文章は読んで味わうようなものじゃないし、うちは人前で喋るのがめっちゃ上手だったので(自分で言うのも変だが本当に上手で、中学から高校までそれだけはずっと褒められ続けていた)、その補正が大いにあったと思う。

ただ、毎年答辞ではその年あった大きな災害に思いを馳せるコーナーがあったんだけど、当時鮮烈な印象を受けた糸魚川大火について書いていたのは興味深いなと思った。

https://www.sankei.com/affairs/news/161230/afr1612300023-n1.html

あるらーめん屋さんがコンロをつけっぱなしにしたまま火元を離れたところ火災が発生し、風の強い日だったために飛び火して燃え広がって、結局30時間も燃え続けたという大火災だったんだけど、亡くなった人は誰もいなかったっていう奇跡みたいな話だ。元々糸魚川周辺は大火が起きやすく、何度も同じような被害に見舞われていて、避難のための仕組みや近隣住民の付き合いがしっかりしていたようだった。地域を忘れてしまったけど、東京のどこだかも家間隔が狭くて古い建物が多いため、地震をきっかけに火災が起きたらひとたまりもない、という話を聞いたことがあった。糸魚川の話を知ったとき、東京だとなかなかこうはいかんだろうと思い、感激した覚えがある。別に東京を悪く言う意図はないんだけど、ただただ人の連携によって誰の命も失われなかったことに凄さを感じた。夜になっても燃え続ける様は世紀末みたいで、画面越しに見ていても恐ろしいものだったな。東日本大震災で、津波で流されたあと沿岸に戻ってきた家や木が燃え、夜になってもぼうぼうと赤く燃え続けていたあの光景を思い出す。船に乗り波に流され、船に火が燃え移りながらもなんとか陸に辿り着き、「あの時は生きることしか考えていなかった」と語る男性のインタビューを思い出す。家の屋根に乗りながら沖に流されていく人々がみんな笑顔でだったって話も忘れられない。わたしもどれだけ絶望的な状況でも、他の人間を見かけたらたぶん笑うだろう。その束の間の安心に安堵し、それにすがると思う。

 

暇潰しに書き始めたけどすっかり長くなってしまった。また書きます。では。